解説
浄土宗祖法然上人(1133-1212)が66歳のとき、九条兼実(1147-1207)の懇請にこたえて、建久九年(1198)に、選択本願念仏の教えを組織的に撰述されたのが『選擇本願念佛集』(『選擇集』と略称)であり、浄土宗のお念仏についての根本宗典であります。
阿弥陀仏は私たちに向かって、まだ気づかないのかといわんばかりに「わが名をとなえよ」と、遠い昔から今にいたるまで、呼びかけられています。その呼びかけに応えて、私たちは南無阿弥陀仏とみ名をおとなえするのであります。そのみ名をとなえる人は、必ず、「どうぞ、この私をお導き下さい」、「お護りを頂きとうございます」、「何とぞ、この私をお救い下さい」という切なるおもいを、南無阿弥陀仏の一声一声に託して、阿弥陀仏をお呼びすれば、阿弥陀仏は必ずその声をたずね、その呼び声に応えて、救いの手をさしのべ、護り、導き給うのであります。
憂い悩みの日暮らしをかさねている私たちは、ひとたび阿弥陀仏の呼びかけに目ざめ、み名をとなえるならば、憂い悩みのない日暮らしを送ること必定であります。
この選択本願念仏による変・転の妙を、わが身の上に実現しましょう。 |