意訳
心の内ではよからざることのみをたくらみながら、いかにもまともな善人らしい振舞いをして見せたり、心のうちでは人目をぬすんで暇を見つけようとしつつも、いかにも甲斐甲斐しくたち働いているとみせかける。これなどをすべて虚仮・いつわりという。 |
解説
顔にはにっこり微笑をたたえてつくろい、憎み、恨み、殺意を心に隠し宿す。
応接間は格好よくととのえてあっても、押入れのなかは雑然としていて、物を捜すのに一苦労する。
人目につくように飾りたて、みせかけることは、ただ自分に具わった特徴をひときわ際立たせるに役立つばかりではない。むしろ自分のマイナスをひたかくしに隠し、自分をプラスの人間であるかのように、みせかけるために役立たせることの方が多い。これが人間のありのままの姿である。なんとお恥ずかしいことよ。
心のはたらきは誰にも見られたり、知られたりしない。身体の行いや言葉は誰にも見られたり、知られたりする。この内なる心のはたらきと外なるはたらきとが一つになれないのが、人の常である。このことは決して好ましいことではない。身体のはたらき(身業)と言葉(口業)とは、心のはたらき(意業)の現れである。誰にも見知らされないから心のはたらきを、放置してはおけない。
「ありとある悪をなさず、ありとある善きことは身をもって行え。おのれの心を浄めんこそ、諸仏の教えなり(七佛通戒偈)」と述べられているように、止悪修善するにはまず自分自身の心を洗い、養い育てることが第一である。それにはお念仏に如くものはない。 |
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