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選擇本願念佛のこころ(22)
敬慕する人の一言

念仏は弥陀の本願なるが故に(中略)よくよく御念仏せさせ給ひて 六方の諸仏の御護(おまもり)をかうぶらせ給へ 『大胡の太郎実秀が妻室のもとへつかはす御返事』(『和語燈録』巻第四所収)
意訳
 南無阿弥陀仏と阿弥陀様のみ名をおとなえする称名は、阿弥陀様がとくに私たちのために、選りすぐって下さったところの、決定往生の業としての本願念仏であります。
 六方の方角のそれぞれにまします無数の仏様は、一時に口をそろえて「念仏往生は違いなし」と証誠して、疑い深い私たちに安心して、お念仏を信ずるように導いて下さいました。南無阿弥陀仏とおとなえする一声ごとに、阿弥陀様に摂取されると信じてお念仏を励んで、信行ともに退転しないように、六方の諸仏のお護りをお受けなさい。
解説
人はあまりにも破格な、好都合の話を耳にすると、喜んで飛びつくよりも、首をかしげて疑いを深くし、一考再考するのが常のならわしである。ひとたび心に刻みこまれた疑いは容易に溶解しない。そのかたくなな疑いの心が溶解して、信じるにいたるのは、常日ごろ敬慕する人の一言による。
 おたがいに騙しあいながら、奈落に落ちこむ人の多い今の世に、天地を六種に震動させて称賛するような、信用できる証誠のことばは、ほとけ様以外に期待できない。一筋道をひたすら目的地に向かって歩み続ける人生の旅人に、おそいかかるあらゆる障害からお護り下さるのもまた、ほとけ様を除いてはお頼りするなにものもない。

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