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平家物語 2号(3)

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第弐號

成立:建仁、建保〜承久年間/内容:天承元年3月〜建久2年
構成:迦陵頻伽/絵=塩森恵子

不忠の逆臣となりべし。進退惟谷まれり

目撃者・談

小松殿が門前で車から降り、門の内へと進んできましたときにはですね、もう一門の公卿、殿上人ですか、そういった方さえ、あれで数十人ほど、それぞれ直垂、鎧に身を固めておりましてな。
諸国の受領、衛府、諸役人といった連中が縁にあふれ庭までびっしり。
旗竿を引き寄せ馬の腹帯を固く結び、いまにも出陣の様子でございました。
そこへ小松殿が、烏帽子、直衣に大紋の指貫の端をとって、衣擦れの音もさわさわと涼しげに入ってこられましてなあ。ありゃあ、まったく場違いの印象でしたわ。

二度目の諫言(要約)

この度のこと。ご運はもはや末になったと思われます。このありさまは正気のさたとは思われません。
わが国は辺境の小国とはいいながら、何といっても天照大神のご子孫が国の主として(中略)ましてご出家の身の上です。そもそも三世の諸仏が解脱を求めるしるしとして着用する袈裟を脱ぎ捨てて、たちまちに甲冑を身につけ、弓矢を携えるなど仏教の上では破戒無慙の罪を招くばかりでなく、儒教の立場では仁義礼智信の道徳にもそむくことになります。(後略)

この後、四恩の理を説き、中国の故事を説き、朝恩を説き、聖徳太子の十七条憲法を引き、君臣の秩序を遵守すべきを主張。その史的教養と学識を傾注して説得したという。

直衣の袖もしぼるばかりに
涙をながし、かきくどければ
一門の人々、心あるも心なきも
皆、鎧の袖をずぬらされける

この「平家物語」は(財)報恩明照会のご協力により(財)報恩明照会発行の「法然」(第2号)に掲載された「平家物語」をホームページ化したものであります。