

成立:建仁、建保〜承久年間/内容:天承元年3月〜建久2年
構成:迦陵頻伽/絵=久保周史
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かねてから強い速い怖いの定評のある、謎の板東武者軍団すなわち横山、猪俣、野与、村上、西、児玉、丹の武蔵7党が、頼朝軍に合流したことが判明。
戦争や引越しの専門家事情通を唸らせた、という。
足柄を越え板東に踏み入って戦うべきか、富士川の手前に陣を構えるか、平家軍の作戦本部では(恐怖のあまり)意見が割れた模様。 結局、おっかなびっくり富士川に布陣。明日、最初の矢合わせと定められた。
その前夜、夜半近く、富士の沼に無数に群がっていた水鳥が何に驚いたのか、一度にぱっと飛び立った。
その羽音にもっと驚いたのは平家の兵、取るものもとりあえず、我先に逃走。
その慌て方、弓を持つ者は矢を忘れ、人の馬に乗るもの、つないだままの馬に乗って駆け出し、杭の周りを果てなく回っているもの、近くの宿場宿場でかりあつめてきた遊女たちの頭は蹴られ、腰は踏み折られ、女のわめき声も凄まじかった、というから、もはやこれ戦うものの態をなしていない。
この「平家物語」は(財)報恩明照会のご協力により(財)報恩明照会発行の「法然」(第4号)に掲載された「平家物語」をホームページ化したものであります。