
教室の一隅で、何かの抽籤をしようとして
「おーい、あみだ(くじ)でいこうぜ」
などと、声をかけたりかけられたりする。その場合の「あみだくじ」は、今日、いろいろなやり方がある。
例えば、人数に応じた何本かの線を平行に引いて、その行間に適宜ハシゴのような棒を加える。そして一方の線の端に当落あるいは額面などを書き入れ、その部分を隠して他端を引かせる。引く者は、選んだ線をたどり、横棒にぶつかるたびにそれに沿いながら、目的の端に進むという方法である。
しかし、昔は、中央に当落あるいは目標のものを隠し、そこから四方八方に放射線を引いて、くじにした。その図形を見ると、ちょうど阿弥陀さまの頭のうしろの後光(放光光背)に似ている。そこで、この方式を「あみだくじ」と名づけたのである。
後頭部に深く、極端に前のおでこの部分を出して帽子をかぶるのを、「あみだにかぶる」というが、これも同様、阿弥陀さまの後光を背負う格好に似ているのでその名がある。
他に、人力車の幌を「あみだ」と呼び、おいらんが髪に沢山の櫛や笄を飾る形を「あみださし」というのも、同じ理由にもとづくものといわれている。
※これらは、「えっ、これが仏教語?ー日常生活の中の仏教語ー宝田正道著」から引用していますが、HP掲載用文章に変更しております。