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行火

あ 行火(あんか)

高校の入試問題に出そうな熟語の一つである。「行火」をどう読むか。「アンカ」とふりがな出来れば及第であるが、他にも「行燈(アンドン) 」「行脚(アンギャ) 」「行宮(アングウ) 」など、いずれも「行」を「アン」と読ませる。ついでに漢音は「コウ」、呉音は「ギョウ」と覚えておくとよい。

さてその「行」は、持ち運びができるという意味である。だから、炭火を入れて手足を暖める目的で持ち運びできるように工夫した道具を「行火」というのである。同様に「行燈」は動かせる照明具、「行脚」は足を運んで続ける旅の意となる。「行宮」や「行在所」も、適宜に移動できる仮の御座所に名づけられたものである。

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「行火」は、正しくは「行火炉」の下略語で、持ち運びできる火を工夫して保温用に使った。今では、漢字を使わないで、「電気アンカ」などと表記された「こたつ」まがいの物も普及しているが、アンカはあくまで「行」という字に意味があることを忘れてはならない。

すなわち、アンカは懐炉のように、持ち運びや携帯に便利な点がこたつと違うところである。つねに足を組んで座禅したり正座を続けたりする禅の修行僧にあっては、足の保温に十分注意する必要から、このような便利なアンカが工夫され愛用されるようになったのかもしれないが、真偽のほどはわからない。

※これらは、「えっ、これが仏教語?ー日常生活の中の仏教語ー宝田正道著」から引用していますが、HP掲載用文章に変更しております。