
はっきりした目的がなく、あちらこちらへ行ったり来たり、ただわけもなく歩き回る状態を、「うろつく」とか「うろうろする」という。生徒が下校の道すがら、盛り場やゲーム場をのぞいたりすれば、やはりこの語が適用されるわけである。
さて、この「うろ」には、「有漏」という字をあてる。「有漏」というのは、「漏」つまり煩悩が「有る」という意味である。煩悩というのは、身心にまといついて心を乱すあらゆる迷いや欲望のことで、人間だれしもこの迷いのとりことなり、人生いたるところであれこれ失敗をしでかすことが多い。むさぼり(
ここでいう迷いとは、あれかこれかと思いまどい、決断しかねて苦しみながら、結局行く道がわからなくなる状態をいう。これが「有漏」であり、「うろつく」形となる。反対に、さとりを開けば「
正確でない記憶のことを「うろ覚え」というのも、答えがゆれ動いている状態で、やはり「うろつき」に基因するといえるだろう。
人間には、何をするにしてもしっかりと一つの方向をきめ、うろうろしないで進む習慣を身につけることが大切であろう。
※これらは、「えっ、これが仏教語?ー日常生活の中の仏教語ー宝田正道著」から引用していますが、HP掲載用文章に変更しております。