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億劫

お 億劫(おっくう)

読み方は「おっこう」というのが正しいが、習慣で「おっくう」というのが一般的である。物事に手をつけるのに気が進まず、めんどうくさいことを意味する。

文字どおり、劫が億もある意味。劫というのは、仏教的数学観で、気の遠くなるようなきわめて長い時間のことをさす。例えば、四十里立方もある大岩石の上へ、百年に一度、天女が降りてきて衣の袖でその表面をなでる。そしてついにその岩がすりきれるまでの時間を一劫という。また、同様の大きさの鉄の城に、芥子粒を満たし、百年ごとにそれを一粒ずつ取り出して、全城空になるまでの時間にも譬えられている。

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いずれにせよ、とてつもなく長い年月のことで、その劫が億倍もあったら、どういう勘定になるか、およそ見当もつかない。永遠に近い時間といってもいいだろう。

そんな、数えつくせぬほどの長時間のことを考えると、あまりにも悠久で雄大な感じで、眼の前の些細なことにあくせく心を傾けるなど、ばからしくて仕事に手をつける気にもならない。そうしたものぐさな心境に「億劫」の語源が見いだせる。

ちなみに、碁でいう「劫」も一石のやりとりに長時間争いを繰り返してきりのない状態をさす。語源は同じである。

※これらは、「えっ、これが仏教語?ー日常生活の中の仏教語ー宝田正道著」から引用していますが、HP掲載用文章に変更しております。