
戸や障子の建てつけが悪いと、ガタピシという音がして、あけしめに苦労する。そして組織や運営が悪く、本来の働きがゆるんだりぶったりして思うようにいかない状態を、例えば「ガタピシしている会社」などというふうに使う。また、激しく震え動いたり、組み立てが粗末でこわれかかったりしているありさまを形容して
「身体にもガタが来た」
「組織も何ももうガタガタだよ」
などという。
このような「ガタピシ」「ガタガタ」などという言葉は、元来、擬音語的発生とも思われるが、漢字を当てると「我他彼祭「我他我他」などとなり、仏教から来たものと考えることもできる。
仏教では、この世のすべての存在やできごとを、お互いに相依り相助けて成る因縁のふしぎによって説明する。すなわち、我と他の別もなく何もかも、みんなそれぞれの縁にしたがって、スムーズに機能しているが、その協和のバランスを崩して、私は私、お前はお前と、勝手気ままに自由に行動をとったら、喧嘩になるだけである。敷居が黙って戸を乗せ滑らす自己のつとめを守ってさえすれば、そこにガタピシはない。他人のことを思いやり、スムーズな人間関係をつくれるよう心掛けたい。
※これらは、「えっ、これが仏教語?ー日常生活の中の仏教語ー宝田正道著」から引用していますが、HP掲載用文章に変更しております。