
サラ金の借金を返すためや受験地獄からの脱出などのために、人は簡単に「四苦八苦している」という。非常な苦難にあえぐ時に、とかく口にする言葉である。
しかし、四苦は生老病死、つまり生物として避けられない必然的な苦しみであり、八苦はそれに四苦をプラスしたものである。すなわち、愛別離苦(愛するものとはいつか必ず別離せねばならぬ)・怨憎会苦(いやな人や事件に会わねばならぬ)・求不得苦(欲しいものが思うように手に入らぬ)・五蘊盛苦(身心を形づくる五つの要素から盛んに起こるもろもろの痛恨事)などである。
つまりこの世はすべて苦の世界(一切皆苦)である。とお釈迦さまは説かれてたのであるが、そのとおり人生は何をするにもすべて苦しみとの闘いである。そうさとって、四苦に耐え八苦を忍んで生きるところにこそ人生の意義と価値があることを、若い人たちには特に心にきざみこんでおく必要があろう。
失恋したから、受験に落ちたから、事業に失敗したからなどと、すぐに死を思い立つほど愚かなことはない。どんな苦しみも我慢と工夫の積み重ねで切り抜ける根性と智恵と勇気を養おう。
※これらは、「えっ、これが仏教語?ー日常生活の中の仏教語ー宝田正道著」から引用していますが、HP掲載用文章に変更しております。