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普請

ふ 普請(ふしん)

高校の入試で、読み方をきかれてまごつきやすい熟語の一つ。もっぱら土木工事や家屋を建築する時に多く耳にする言葉である。

しかし、この二字を分けて読むと「普く(あまねく) 」「請う(こう) 」となる。つまり、広く多数の人々に乞うて、お寺の建築や修繕に金品あるいは労力の奉仕を依頼することで、これが仏教における原義であった。今でいうカンパや奉賀帳の募財に似ているが、目的はあくまで寺院の堂塔を建てたり修理したりするためと限られていた。類語に「勧進(かんじん) 」がある。

鎌倉時代には、平重衡のために焼かれた奈良東大寺の大仏再建のために、全国をまわって一紙半銭の寄付を勧めて歩いた、俊乗坊重源という有名な「勧進聖」がいた。

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また、弁慶が義経の奥州下りに際して、安宅の関で、勧進帳を読み上げ、あたかも主従が勧進の目的で金品募集の旅に出ているように見せかけて危難を切りぬけた話は、歌舞伎の代表的出し物としてよく知られている。

このように、普請や勧進は、元来が仏と縁を結ばせる一つの手段として大衆を動員するために使われた言葉であるが、仏教と全く無縁の一般的建築用語となった現代でも、地鎮祭や棟上げには、やはり一応神仏を勧請する儀式を行う習俗がある。建築にかかわる人々の無事安穏を祈念する名残ではなかろうか。

※これらは、「えっ、これが仏教語?ー日常生活の中の仏教語ー宝田正道著」から引用していますが、HP掲載用文章に変更しております。